東北大学 金属材料研究所 量子ビーム金属物理学研究部門

東北大学 金属材料研究所 量子ビーム金属物理学研究部門

川又君の海外研究室滞在記

渡航先: ANSTO (Australian Nuclear Science and Technology Organisation) 
渡航期間: 2023年5月5日―2023年7月18日
用務: GP-Spin短期訪問(Visiting research)
現地指導教員: Prof. Maxim Avdeev (Neutron Diffraction Group Manager)

研究:私はオーストラリア原子力科学機構(ANSTO)で,Maxim Avdeev教授の指導のもと,中性子粉末回折実験の手法と解析を学ぶことを目的に滞在しました.ANSTOでは,ECHIDNA,WOMBAT,TAIPANの3つのビームラインで実験を行い,物性測定装置(PPMS)で磁気特性・比熱の測定も行いました.中性子のビームラインと物性測定装置が同じ建物にあるため,同じ試料に対して簡単に色々な測定ができる環境で,利便性が高かったです.
ANSTOはシドニー中心部から1時間ほど離れた高台に位置しており,ANSTOの前を走る道路からはシドニーのビル群が見えました.ANSTOではサイエンスツアーも頻繁に行われているようで,地元の中学生・高校生やリタイアした方々がバスに乗って訪れていました.

 
 ANSTOの原子炉建屋.毎日非常にいい天候が続く.ANSTOの中にあった自販機.「おつり」の文字など
            日本語で書かれている.
 
   左下がWOMBAT,右がECHIDNA. 

生活:オーストラリアは現在インフレが進行中で,物価が日本よりかなり高いように感じました.イギリスとの歴史的な関係からか,カフェ文化が盛んで,手に入る紅茶もどれもおいしいものでした.私が滞在した時期は秋から冬にかけてで,オーストラリアの冬は思ったよりも寒く,現地で急いでフリースのコートを買いに行くほどでした.

旅行:シドニーでは5月下旬から6月中旬にかけてVivid Sydneyというお祭りが開催されます.休日にはシドニーの街中へ行き,オペラハウスを含む街のライトアップやプロジェクションマッピングを楽しみました.日中とは違った幻想的なシドニーの風景に感動しました.

まとめ:異なる環境での研究・生活は非常に貴重な経験となりました.オーストラリアは多人種が集まる国で,さまざまな国からの人々がいることを感じました.そのため,オーストラリアの住民は多様性に寛容で,拙い英語でも親切に話を聞いてくれ,お店でも困ることがありませんでした.日本人にとっても住みやすい環境だと感じました.

 
       日中のオペラハウス.       Vivid Sydneyでライトアップされたオペラハウス.