唐君の海外研究室滞在記
渡航先: エディンバラ大学/the University of Edinburgh渡航期間: 2022年9月21日―2023年3月18日
用務: GP-Spin短期訪問/交換留学(Visiting research)
現地指導教員: Dr. Christopher Stock (Reader of School of Physics and Astronomy)
今回は東北大学 スピントロニクス国際共同大学院(略GP-Spin)から経済的支援を受けて、イギリスのエディンバラ大学に半年間で滞在しております。エディンバラ大学は1583年に開校して、今までの数百年で長きにスコットランド首位の大学になっております。自分は初めてエジンバラに着いたとき、歴史的建造物の保存状態に驚きました。ここの建物はアジアの建物とは構造が全く異なり、大学キャンパスで古い建物と現代的な建物が混ざり合い、夕方の日差しで光幻の光景を作り出しております。特に中心に立っているエディンバラ城が町並みに溶け込むようです。まだ、中心街からも眺める絶景、アーサーズ・シートはこの土地の歴史を物語っております。


エディンバラ大学 Old College キャンパス エディンバラ大学King’s Buildingキャンパス


エディンバラ城から眺める中心街 エディンバラ城正門前
自分はKings Buildingsというキャンパスで、Dr. Christopher Stockと共に二次元Van der Waals物質、FePX3(X = S, Se)の軌道自由度に関する研究を進めています。Dr. Christopher Stockは元イギリスのISISとアメリカのNISTという中性子センターの装置責任者として、今までの数十年間で磁気フラストレーション、スピン軌道効果、量子相転移など広い範囲に研究を行っています。我々はポスドク研究員Dr. Guratinder Kaurと一緒に、結晶育成から、XRD構造測定、磁気測定, 中性散乱実験をして、FePX3の相転移温度、構造変化、磁気励起を調査する予定です。




まだ、エディンバラ大学での半年間で、スイスのPSI中性子センターでDr. Christopher Stockの三軸中性子分光器の実験を見学に行きしました。更に、2022年12月前半にベルギー、ルーバンのIMEC会社でスピントロニクスに関する国際会議に参加して、ポスター発表を行いました。この後は2023年2月ごろ、ISISで結晶場励起の中性子非弾性散乱実験を実施するつもりだし、グラスゴー大学の実験室で磁気測定を行うし、実験の予定が多いです。



PSI中性子センター正門前・PSI-SINQ三軸中性散乱装置EIGER・IMECビル ベルギー、ルーバン