第1回東北大中性子散乱セミナー
日時: 7月29日(水) 17時より
場所: 金研4号館1階セミナー室
http://www.imr.tohoku.ac.jp/ja/access.html
講演者: 佐藤研太朗 (藤田研D3)
タイトル:銅酸化物高温超伝導体La
2-xSr
xCuO
4における磁気励起の詳細構造
アブストラクト:
ホールドープ系銅酸化物高温超伝導体において、低エネルギー領域の格子非整合な磁気励起が
40 meV 付近で格子整合になり、それ以上のエネルギーでスピン波のように反強磁性Brillouin
Zone 境界へ広がっていく「砂時計型励起分散」が共通して観測されている。この特徴的な励
起のメカニズムは超伝導発現機構の根幹に関わるものとして重要視されている。近年、分散の
くびれに相当するエネルギーを境として起源の異なる2つの成分から磁気励起が構成されると
いう解釈がなされている。しかしこれまで温度・組成依存性等による2成分の傍証はあるもの
の、直接的な観測結果は得られていない。そこで今回我々は磁気励起シグナルの精密解析から
直接的に2成分の存在を示すことを目的とし、La
2-xSr
xCuO
4 (
x = 0.10, 0.16)に対して十分
な統計精度で高分解能パルス中性子散乱実験を行った。図1(a) に
x = 0.16 について得られた
磁気励起スペクトルを示す。格子非整合(IC) 励起(図1(b)) と格子整合(C) 励起(図1(c)) の重
ね合わせで実験結果が良く表現されることが分かった。(図1(d, e)) 本研究会ではスペクトル
解析の詳細や温度変化から2成分磁気励起描像の整合性について議論を行う。
図入りアブストラクトは
こちら.
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